研究紹介 :
砂摩耗解析と耐摩耗コーティング技術
ポンプのスラリー摩耗対策と摩耗量予測技術
中国の黄河などに代表される大河流域に設置された取水ポンプは,多量に土砂を含んだ河川水を汲み上げます。そのために、流体内に含まれる土砂などの固体粒子が羽根や流路壁面に繰り返し衝突することにより発生する損傷(スラリー摩耗)を受ける危険があります。従って、ポンプ部材の耐摩耗対策,摩耗量予測技術は非常に重要です。
図1は中国山西省/万家寨黄河引水プロジェクト向けポンプの羽根車に適用された耐摩耗コーティングです。硬く耐摩耗性に優れた材料を溶射法によりコーティングしており、羽根の各施工部位に適した3種類の溶射法を採用しています。
図2は実機羽根車の7分の1のサイズのアルミニウム製羽根車を用いて、スラリー中で耐久試験を行った後の羽根の摩耗深さ分布です。これに対して図3は、粒子挙動解析、材料試験を組合せて予測した摩耗深さ分布であり、定量的な予測精度において工業的に十分有用であるといえます。本技術の基本となる手法は、「スラリー摩耗の衝突角度依存性に関する簡易予測法」としてターボ機械協会賞(平成18年度論文賞)を受賞しています。
図1 中国山西省/万家寨黄河引水プロジェクト向けポンプの羽根車に適用されたコーティング技術
※外側の枠線は解析領域範囲を示す
図2 スラリー中100h耐久試験後の摩耗深さ分布測定結果
※解析領域内の枠線は摩耗試験の測定範囲を示す
図3 スラリー中100h耐久試験後の摩耗深さ分布予測結果
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